北条司の出身高校
北条司 芸術家
- 北条司卒業高校
- 真颯館高校 偏差値 福岡県高校偏差値ランキング
- 芸術家ランキング
- 307位 / 327人中 芸術家別偏差値ランキング
- 性別
- 男性
北条 司(ほうじょう つかさ、本名:北條 司、1959年(昭和34年)3月5日 - )は、日本の男性漫画家・実業家。株式会社コアミックス設立者であり取締役、及び関連会社ノース・スターズ・ピクチャーズの取締役。福岡県小倉市出身。九州工業高校・九州産業大学卒。トレードマークはサングラスで、公開されている写真や自画像のほぼ全てが着用した姿となっている。
1980年(昭和55年)に『週刊少年ジャンプ』(集英社)20号に掲載された「おれは男だ!」でデビューし、翌1981年(昭和56年)より開始された「キャッツ♥アイ」で連載デビュー。主に『週刊少年ジャンプ』を始めとした集英社の雑誌で活躍。その後2000年(平成12年)に堀江信彦らと共にコアミックスを設立し、同社が編集を行う雑誌に活動の場を移している。
代表作に『キャッツ♥アイ』・『シティーハンター』など。『月刊コミックゼノン』において『エンジェル・ハート 2ndシーズン』を連載中。
建設会社勤務の父親と専業主婦の母親の間の次男として、1959年(昭和34年)福岡県小倉市に生まれ、小学校からは北九州市内の八幡で過ごす。市立泉台小学校・市立高見中学校・私立九州工業高校・九州産業大学と進学し、高校までを北九州市内で、漫画家として上京するまでを福岡県内で過ごす。
物心ついた時には既に絵を描く事が好きで、北条の母の証言によると幼稚園時代には鏡に映った自分の手を熱心にスケッチするなどしていた。また、兄がアニメキャラクター等を模写していたのに対して北条は模写が苦手で、小さな頃からオリジナルの絵を描く事が多かったという。早生まれで体が小さかった事もあり、絵を描く事は北条にとって周りにも誇れる唯一の自己表現手段となっていった。漫画を読むのも好きではあったがテレビの方により夢中になっており、特に漫画に強い思い入れがあったわけではなかった。初めてコマ割りのある漫画を描いたのは小学校1年生の時であったが、これは「『ウルトラQ』よりもおもしろい漫画がある」と友人にホラを吹いた事をごまかすためのものであった。
このように幼少時から絵を描き続けていた北条であったが、小学2年生の時に担任の教師から「子供らしい絵を描け」などと絵を貶される事件が起きる。北条にとって唯一の表現手段であった絵を貶される事は自分を全否定される事に近く、この事件が強いトラウマとなって絵を描く事が嫌いになり、目立つ事を恐れる暗い少年となってしまう。以降、北条は小説を大量に読むようになり、特に中学時代はSF小説を読み漁る生活を送る。また学校推薦映画となっていた『ひまわり』(ヴィットリオ・デ・シーカ)を見て衝撃を受け、様々な映画を見るようになる。ただしお金がかかるので映画館で見られるのは月一程度であり、もっぱらテレビの洋画劇場で放映された物を見ていた。
中学3年の時に漫画家を目指す友人が出来る。彼がペンを使い本格的に執筆している事に影響を受け、北条も本格的な執筆を始めるようになった。この友人とは別の高校に進学するも交流は続き、彼の呼びかけから漫画の同好会にも参加する。男女織り交ぜた6人で、共同の漫画執筆も始めたが未完に終わっており、この時の体験から自分に毎週漫画を描く漫画家生活は無理だと当時は思っていた。
その後、賞金を目当てに漫画の投稿を始め、金が無くなると新作を描いては投稿するという生活を始める。当初はジャンルを問わずに投稿をしていたが、努力賞でわずかな賞金しかもらえなかった事から、少女漫画への投稿は辞めている。一方で読者としては時おり目についた物を読む程度でありも週刊誌を買うような事はせず、引き続き映画と小説の方により興味を持っていた。
高校を卒業後、福岡市内の九州産業大学へと進学し下宿生活を始める。大学では芸術科コースのデザイン科に進んで広告デザインを学び、映画関係の仕事がしたいと考えていた。漫画は引き続き賞金目当ての投稿を続けており、喫茶店に通うようになった事から漫画もよく読むようになった。
金のない下宿生活の中で、手塚賞の賞金が100万円である事を知り、応募を決める。それまでは手塚賞の存在を知りながらも『週刊少年ジャンプ』(集英社)主催である事を知らず、同誌を読んだ事もなかった。ちょうどネームも描かずに一日1ページずつぐらいでなんとなく描きためていた作品があった事から31頁にまとめて投稿。この作品「スペースエンジェル」が準入選となって賞金20万円を手にし、入社一年目だった堀江信彦が担当編集に付く。その後描けば金になるとの理由から催促されるままに3編の読切を描き、そのなかの「おれは男だ!」が『WJ』掲載されて在学中にデビューを果たす。
大学を卒業するも漫画を描いて就職活動をしていなかったことから、とりあえずとして漫画家になる事とする。ただし、北条は当初「地方でこつこつと短編を発表するような地味な漫画家でいい」と考えており、連載や上京の意志はなかった。しかし、読切として描いた『キャッツ♥アイ』(以下、C♥E) が好評であった事から堀江は北条の知らぬところで同作を連載会議に掛け、連載を決定してしまう。そして「連載が決まり、アパートも用意したから2日後に上京してこい」と連絡を受けて半ば強引に上京させられ、あっという間に北条は連載生活へと入っていく。当時の北条は慣れぬ連載には様々な面で苦労をし、連載終了後に本作の連載自体が漫画の練習であった事や、本作の印象としては「苦い思い出しかない」事を語っている。同作は4年に渡り連載が続けられ、アニメ化される程のヒットを収める。
『C♥E』の連載中の1983年に第11回愛読者賞用の読切として「シティーハンター -XYZ-」を描き、見事に愛読者賞を獲得する。同作は「『C♥E』の神谷真人(ねずみ)を主人公に」とのコンセプトで誕生した冴羽獠のデビュー作であり、1985年の「C♥E」終了の同年には同作を元とした連載「シティーハンター」(以下、C.H.)を開始する。前作に続き『C.H.』もアニメ化され、6年以上に渡って連載が継続される代表作となる。しかし、連載の終了は4週間前に通告されるという突然なものであった。この事は北条に描き切っていないという強い思いを与え、後のリメイク作品『エンジェル・ハート』(以下A.H.)が誕生する原因となる。
『C.H.』終了後はアクションに対する疲れから植物との交流を描いた「こもれ陽の下で…」、担当の求めに応じて再びアクションを描いた「RASH!!」を連載するもいずれも短命に終わる。この時期は集英社との関係等から漫画を描く事がつまらなくなり、漫画家をやめる事も本気で考えていた。その後、性別逆転夫婦を描いた「F.COMPO」を『週刊少年ジャンプ』で連載するつもりで企画するが、少年誌では難しいとの判断から、前年創刊された青年誌『MANGAオールマン』へと移籍する。4年に渡って連載された同作は「この作品を描いても楽しめないようだったら廃業しよう」との思いで始められたリハビリのような作品であり、この成功により北条は一生漫画家としてやっていく自信をつける。
「F.COMPO」の連載を続ける中、2000年(平成12年)には堀江信彦・原哲夫・次原隆二・神谷明・根岸忠らと共に、株式会社コアミックスを設立。翌年同社編集の新雑誌を創刊する準備に忙しくなった事から、「F.COMPO」の連載を終了する。そして2001年(平成13年)5月に『週刊コミックバンチ』(新潮社発行)を創刊し、創刊号より「エンジェル・ハート」の連載を開始する。2004年(平成16年)にはコアミックスの関連会社として著作権管理等を業務として設立された株式会社ノース・スターズ・ピクチャーズ(以下、NSP)の取締役に就任している。
2010年(平成22年)のコアミックスと新潮社の契約満了に伴い『週刊コミックバンチ』は休刊となり、コアミックスはNSPと徳間書店と共に後継紙の1つとなる『月刊コミックゼノン』を創刊する。これに伴い「A.H.」は「エンジェル・ハート 2ndシーズン」に改題の上で『ゼノン』に移籍し、連載を継続している。
※ 掲載誌の記載がないものは『週刊少年ジャンプ』に掲載。
『C♥E』と『C.H.』の成功により、「美女とアクション」が代名詞のようにされていたが、北条本人としては少年誌に求められるものとして「アクションっぽいもの」を取り入れてはいたもののあくまで登場人物の心の流れをメインに描いており、こうした評価は不本意で「アクション作家のつもりはない」と述べている。『C.H.』の次となる連載作品『こもれ陽の下で…』はこうした評価に対する反発として、「美女とアクション」を徹底的に排したものとして始められている。
北条が自身で意識して描いたのは『F.COMPO』が最初ではあるが、「天使の贈りもの」・「ファミリー・プロット」・「少女の季節 - サマードリーム -」とそれ以前の作品でも家族関係が主題となっている作品は多く、友人より北条の作品の根底的なテーマは「家族愛」であるとの指摘を受けている。
上述の通り「美女」が代名詞となるようにその画力は高く、二階堂黎人は「絵が素晴らしく綺麗であり、セクシーな女性を描くのが得意であり、夜の描写が美しい」とその画力を評価している。
なお2000年に行われたインタビューでは、見出しに「美女の顔はみな同じ?」とされ、北条自身も「美女」については「顔の描き分けは全然していない」と語っている。北条によれば、読者の求める「北条美人」から外れない様に、敢えてそういった手法を採っているとのことである。
■ : 連載作品、■ : 読切作品。
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