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別役 実(べっちゃく みのる、べつやく みのる 1937年4月6日 - )は、劇作家、童話作家、評論家、随筆家である。名の正式な表記は實。サミュエル・ベケットの影響を受け、日本の不条理演劇を確立した第一人者である。日本藝術院会員。

理学博士・随筆家の寺田寅彦の姉、駒の曾孫にあたる。妻は女優の楠侑子。一人娘の怜(べつやくれい)がいる。安岡章太郎は遠戚である。

1937年、満州国新京特別市(現中華人民共和国長春市)生まれ。幼くして父を亡くす。終戦と同時に日本に引き揚げてくるが、母子家庭のため清水市や長野市など親戚の家を転々とする。長野北高校(現長野県長野高等学校)時代は画家を目指しつつ、聖書研究会に通うなどしていた。

高校卒業後、喫茶店のウェイターなどをしながら浪人生活を送り、早稲田大学政治経済学部政治学科に入学。鈴木忠志らと出会い、劇団「自由舞台」で演劇と学生運動にのめり込む。その結果、同大学を経済的事情により中退。処女作は『AとBと一人の女』とされているが、正確にはその前の習作として『貸間あり』『ホクロソーセージ』などがあった。

大学中退後は、土建一般労働組合の書記としてサラリーマン生活を送りつつ、喫茶店で作品を書き続ける日々を送る。1963年、『マッチ売りの少女』『赤い鳥の居る風景』で第13回岸田國士戯曲賞を受賞。この時期には「雨が空から降れば」(作曲:小室等)などの詩作もある。

三津田健、中村伸郎といった俳優がよく別役作品に出演した。1990年代に入ってからは、日本劇作家協会の創立に関わる。平田オリザとの親交も深い。

2003年から2009年3月までは兵庫県にあるピッコロシアターに併設された兵庫県立ピッコロ劇団の代表を務めていた。2013年芸術院会員に選ばれる。

エッセイ集も多数発表しており、「○○づくし」と題された事典類のパロディ的なシリーズがある。

2014年12月、青山円形劇場で新作脚本の『雨の降る日は天気が悪い』が上演予定だったが、病気療養のために演目が『夕空はれて〜よくかきくうきゃく〜』(1985年作)に変更となった

幻想的で独創的な作風が特徴で、登場人物が「男 1」「男 2」など、固有の名前を持たないことが多い。舞台には必ずと言っていいほど一本の電信柱、あるいはそれに相当するような柱のようなものが立っている。電信柱は、別役が宮沢賢治のファンであることに由来する(これがきっかけでアニメ『銀河鉄道の夜』の脚本担当)。

ナンセンス喜劇だったと言われている。肉屋の主人が妻を殺してしまい、それが露見しないように妻をソーセージにして売ってしまう。ところが、ソーセージの中にホクロが入っており、肉屋の主人の妻が大きなホクロを持っていたことから、ひょっとして主人が妻を殺したのではないかという噂が立つというのがあらすじである。

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